2013年度 第20回日本教育メディア学会年次大会にあたって 大会実行委員長 和歌山大学 豊田充崇 平成25年10月12日(土)、13日(日)の2日間にわたり、記念すべき第20回目となる「日本教育メディア学会・年次大会」が、和歌山の地で開催されます。 和歌山は、平成18年「教育の情報化に関する調査結果(文科省)」で設備環境・教員の指導力ともに全国でワーストの位置にありました。それ以降、急速な情報機器の整備や指導力向上に努め、電子黒板設置率全国1位やフューチャースクール事業をはじめ様々な教育の情報化に関する事業を展開し、各地から視察を受けるまでになりました。 そういった中、当学会の節目となる20回目の年次大会が和歌山で開催されることは非常に意義深く、嬉しく思うとともに、当地における教育の情報化や教育研究に拍車がかかることも期待しております。 和歌山大学会場は、和歌山市を一望する高台にあり、隣接地では住宅や商業地の大規模開発が進んでいます。昨年4月には「和歌山大学前駅」(南海電車)が完成し、大阪(なんば)もしくは関西空港から約1時間という立地条件に恵まれることになりました。大阪方面からのバイパスやICも整備され、学内に一般用駐車場も完備していますので、交通手段の選択肢は豊富です。 さて、今大会では、自由研究発表をはじめ、下記のシンポジウムや課題研究を予定しています。まだ企画段階ではありますが、早急に内容面や募集方法について詰めていきますので、今後の当会からの続報に注目してください。 シンポジウム 「タブレット端末・デジタル教科書は授業を変えるか」 課題研究T 情報活用能力の育成と評価 課題研究U 『博物館情報・メディア論』研究 課題研究V SNS利用の実態とその教育利用 シンポジウムでは、教育現場共通の期待がかかるデジタル教科書について、指導者用・学習者用の両者を取り上げ、改めてその学習効果や授業の変容について議論を深めたいと思います。また、学習者用デジタル教科書を有効活用するためには、タブレット端末ひとり一台体制が想定されていますが、これらを用いた実際の教育現場の声を聞き、今後の展望を示したいと思います。 課題研究Tは、本年度、情報活用能力調査(文科省)が実施されることになったのをきっかけとして、情報活用能力の定義やその育成・評価方法についての関心が高まりつつあります。これらについての理論的研究、実践的な研究をご発表頂きたいと思います。 課題研究Uでは、当学会が出版した『博物館情報・メディア論』に関係・関連する発表を募集します。本書は、学芸員養成課程に新設された必修科目に完全準拠した他に類書の無いものと言われていますが、本書を執筆した関係者の方々や関連する研究者の方に、書評も交えてご発表頂きたいと思います。 課題研究Vでは、大人だけではなくて、子どもたちにも日常的なメディアとして既に定着してきたSNSについて、その利用実態の分析から教育現場での活用実践等についての研究成果を広く募集したいと考えています。 多くの方々からの研究発表のご応募をはじめ、当学会へのご参加をお待ちしています。 なお、本学は国立大学法人唯一の「観光学部」を有しており、紀州材で建てられた木造校舎が特徴的です。それだけ観光資源に恵まれた土地柄ともいえますので、3連休中の学会後に、南紀へ向かい山海の幸や温泉を楽しんだり、世界遺産・熊野古道などを散策することも考えられます。また、近隣でも和歌山城をはじめとして、かつての博覧会跡地にできたマリーナシティや「たま電車」といった異色の観光名所も知られています。帰路にはUSJにも立ち寄れる立地でもあります。 学会後は学術的な頭から切り替え、レジャーを満喫して心身ともに寛いで頂ければと思います。 ぜひ、学校・大学関係者をはじめ家族や友人等広くお誘い合わせの上、和歌山にお越しください。 |